納豆巻き(なっとうまき)は、納豆などを具材(芯)とする巻き寿司。細巻き寿司、あるいは軍艦巻きの一つである。

歴史

細巻き寿司としての納豆巻きの発祥は、岩手県盛岡の寿司屋『三寿司』であるとされる。1963年(昭和38年)、当時高級料理であった寿司を、低価格で多くの人に提供しようと、盛岡の市民に親しまれていた納豆を具材(芯)とする納豆巻きを始めたという。納豆巻きの元祖とされる『三寿司総本店』の暖簾には、「名物なっとう巻」の文字が染め抜かれている。

一方、軍艦巻きとしての納豆巻きは、後に東京都銀座に『鮨さゝ木』を創業する佐々木啓全が、『勘八』に勤めていた時に考案したとされる。

昭和60年代以降、回転寿司チェーンやコンビニエンスストアの拡大とともに、一般化していった。2009年(平成21年)現在では、納豆巻きは全国のコンビニエンスストアに広まっており、家庭における納豆料理でも第一位となっている。

具材(芯)

具材(芯)としては、納豆を使用する。通常、納豆は、その臭いや粘りから敬遠されることも多いが、納豆巻きであれば食べられるという者も多い。

納豆は叩いたものを使用するが、店によっては粒のまま巻くものもある。これに、醤油や山葵、塩で味付けしたり、葱や青紫蘇、胡瓜、鰹節などを加えたりすることもある。

佐々木が考案した軍艦巻きでは、納豆とともに、茹でて切った小松菜を乗せ、塩を加えて提供していたとされる。

脚注

出典

参考文献

  • 主婦の友社 編『料理食材大事典』主婦の友社、1996年7月27日。ISBN 4-07-214741-9。 
  • 新庄綾子『すし語辞典』藤原昌髙 監修、誠文堂新光社、2019年8月9日。ISBN 978-4-416-51917-2。 
  • 細田和幸「茨城の活力は「食」にあり:食材の宝庫を弁当でPR」『茨城県政策情報誌 ふぉるむ』第22号、茨城県、2009年、NCID AA11177109、国立国会図書館書誌ID:000000392618。 
  • 巻寿司のはなし編集委員会 編『あじかん創業50周年記念誌 日本の伝統食 巻寿司のはなし』あじかん、2012年9月1日。 NCID BB25093534。国立国会図書館書誌ID:024098565。 

関連項目

  • 干瓢巻き

外部リンク

  • 三寿司
  • 鮨さゝ木

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