千々石町(ちぢわちょう)は、長崎県の島原半島にあった町。南高来郡に属していた。

2005年10月11日に周辺6町と新設合併し、雲仙市として市制を施行したため、自治体としては消滅した。

現在の雲仙市内における千々石町の地域にあたる。旧町役場は千々石総合支所として業務が行われている。

地理

島原半島の北西部に位置する。吾妻岳などをはじめとした雲仙山系の山々に三方を囲まれ、西方は橘湾に面する。「千々石」の地名の由来は、高来郡西北に比遅波(ひじは)とよばれる断崖があり、付近にあった池を土歯(ひじは)池といった。この「ひじは」が転訛して千々石といわれるようになったとされる。

  • 山:九千部岳、石割山、吾妻岳、鉢巻山、猿葉山
  • 河川:千々石川、上峰川、飯岳川
  • 港湾:千々石漁港

歴史

  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、南高来郡千々石村が単独村制にて発足。
  • 1928年(昭和3年)11月1日 - 千々石村が町制施行。千々石町となる。
  • 1944年(昭和19年)2月2日 - 町内に陸軍機が墜落して乗員ら全員が死亡。この機体には、同年1月31日に親授された歩兵第29連隊の軍旗を乗せていた。
  • 2005年(平成17年)10月11日 - 国見町、瑞穂町、吾妻町、愛野町、小浜町、南串山町と合併し市制施行。雲仙市が発足し、千々石町は自治体として消滅。

地域

地名

名を行政区域とする。千々石町は1889年の町村制施行時に単独で自治体として発足したため、大字は無し。(発足当初は千々石村)

なお、千々石町では名の名称を十干に置き換えて表記する。

  • 甲 / 北舟津名
  • 乙 / 南舟津名
  • 丙 / 下峰名
  • 丁 / 上峰名
  • 戊 / 野田名
  • 己 / 小倉名
  • 庚 / 木場名(こば)

教育

小・中学校

  • 千々石町立千々石中学校
  • 千々石町立第一小学校
  • 千々石町立第二小学校

いずれも合併により千々石町立から雲仙市立となった。

交通

  • 最寄り空港は長崎空港。

鉄道

最寄り駅は島原鉄道愛野駅。

1923年から1938年までは町内に雲仙鉄道が通っていた。

バス路線

一般路線バス

  • 島原鉄道バス
  • 長崎県交通局(長崎県営バス)※2007年廃止、島原鉄道バスに一本化。

道路

  • 高速道路の最寄りインターチェンジは長崎自動車道諫早インターチェンジ。

一般国道

  • 国道57号・国道251号
    ※町内全区間において重複している。
  • 国道389号

県道(主要地方道)

  • 長崎県道58号愛野島原線

産業

  • 特産品 : ミカン・ジャガイモ・ミニトマト・千鶏カステラ

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

  • 千々石海岸(日本の白砂青松100選)
  • 橘神社
  • 釜蓋城跡
  • 千々石観光センター
  • 橘公園花まつり
  • パラグライダー千々石カップ(7月)
  • 観櫻火宴(3月)
  • 棚田(棚田百選)

千々石町出身の著名人

  • 千々石ミゲル(キリシタン)
  • 釧雲泉(画家)
  • 橘周太(軍神・教育者)
  • 土田瑞起(プロ野球選手)

千々石町を舞台とした作品

  • 『上を見るな』(島田一男、1955年)

参考文献

  • 角川日本地名大辞典 42 長崎県
  • 長崎県南高来郡町村要覧.下編「千々石村」(1893年)国立国会図書館デジタルコレクション

脚注

関連項目

  • 長崎県の廃止市町村一覧

外部リンク

  • 長崎県千々石町(2005/08/03アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  • 雲仙合併協議会(2005/11/01アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project

千々石海岸 絶景事典

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